第1回科学コミュニケーション研究会


開催日時:2010/03/12
開催場所:京都大学
開催趣旨:
~「科学広報」と「科学コミュニケーション」という言葉が持つ意味を考える~科学広報と科学コミュニケーション,これらの関係はお互いに重なり合っているように見えます。今、どのように使われている言葉なのでしょう??今回は、科学広報と科学コミュミケーションの関係を「言葉にして、共有する」 勉強会を開きたいと思います。

プログラム:
1.横山広美(東京大学大学院理学系研究科 広報・科学コミュニケーション 准教授)
  「広報・科学コミュニケーション’の意図と実際」
2.宮副英恵(東京大学 数物連携宇宙研究機構(IPMU) 広報担当)
  「サイエンスカフェの人気 3つの方法 -IPMU サイエンスカフェ 「宇宙」事例-」
3.飯島由多加(京都大学iCeMS 国際広報室 リーダー) &加納圭(京都大学iCeMS 科学コミュニケーショングループ 助教)
  「動画配信による広報・科学コミュニケーション」
4.平川秀幸(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 准教授)
  「サイエンスカフェと公共的議論の接続 -新しい参加型テクノロジーアセスメントの試み」
ワークショップ 「科学広報」と「科学コミュニケーション」という言葉が持つ意味を「言葉にする」ワークショップ



開催報告:(文:京都大学iCeMS科学コミュニケーショングループ 加納圭、水町衣里)
 少し肌寒い金曜日の昼下がり、約30名の方々が京都に集まりました。
 今回のテーマは、「科学広報」と「科学コミュニケーション」という言葉が持つ意味を考える、です。
 比較的新しい研究拠点である京都大学iCeMSには、事務部の組織の中に「国際広報室」が、研究グループの中に「科学コミュニケーショングループ」があります。それぞれの特性を生かし、一つのプロジェクトを恊働しながら行っています。ただ、ふと、他の機関を見てみると、「広報・科学コミュニケーション担当」というポストがある、また別の機関には、広報室のメンバーの中に「科学コミュニケーター」がいるのです。それぞれが、どのような目的をもって研究・活動をされているのかが、とても気になる。一度、関連する人が集まって、共有してみたい、ということで決まったのが、今回の研究会のテーマです。
 まず、4件の事例紹介があった後、休憩をはさみ、参加者みんなでワークショップをしました。
[事例紹介]
 まずは、横山広美さんのお話から、研究会はスタートしました。東京大学大学院理学系研究科で広報・科学コミュニケーション担当教員として、どのようなお仕事をされているのかをお聞きしました。
 次は、宮副英恵さんです。東京大学にある世界トップレベル研究拠点、数物連携宇宙研究機構(IPMU)で広報を担当されています。IPMUで行っているサイエンスカフェの人気の秘密についての話しをお聞きしました。
 3番目が、京都大学iCeMSの事例紹介です。iCeMSクロストークという企画を行っている目的やその達成状況、今度の課題などについて、科学コミュニケーショングループの加納圭と国際広報室の飯島由多加から話しがありました。
 最後に、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの平川秀幸さんから、現在進行中のDeCoCiSというプロジェクト、その中でも特に参加型テクノロジーアセスメントの部分についてご紹介していただきました。 どの発表に関しても、会場からたくさんの質問をいただき、時間が足りないぐらいでした。
 休憩した後は、事例紹介を踏まえたワークショップです。3つの班に分かれて、それぞれの頭の中にある「科学広報」のイメージ、「科学コミュニケーション」のイメージを、具体的な言葉にする、という作業をしました。その成果は、以下の「ワークショップのまとめ」をご覧下さい。
 その後は、交流会です。普段は、お互いが、それぞれの業界で、それぞれの機関で個別に奮闘しているのですが、それぞれで工夫をしていること、苦労をしていることを共有できた貴重な時間でした。これからも定期的に集まることができたらと思います。